2018年11月10日、LINE新宿本社ビルにて、賞金1000万円をかけて繰り広げられる、話題のイベント LINE BOOT AWARDS 2018 に参加してきました。まさかのグランプリの結果に会場全員が驚きの声を上げていました。現在LINEではFintechとAIに投資を進めているということで、Clovaに力を入れているのだそうです。Clovaの大きな特徴としてBOTが利用できることがから、ほぼ全てのスキルがBOTと連携していました。
複数の個室やフリースペースを使ってスキル/BOTの展示を行っていました。12:30に開場してから14:00までの間は、ファイナリスト候補の展示を自由に見ることができました。14:00からはセッションブースにて、入賞者候補の1チーム5分のLT形式でプレゼンバトルが繰り広げられました。
今回、このスキルアワードに向けて、1125件(イイチコ)のプロジェクトが登録されたそうです。さすが1000万円がかかっているだけありますね。すごい。ファイナリストの候補に選ばれたのは以下のスキル/BOTです。ここでもファイナルに登壇できるのは約半分だけで、ここからさらに絞られました。
Clova&LINEで絵本読み聞かせ
らくらく移動ちゃん
マイトレーニング
Ica ica
Naturally InLiINE Agile(NILA)
Goldfish Brain Savior
My caddie
おっちょこちょいのおちょこちゃん
読みの神Skill&BOT
育児日記
家族のお手伝い帳
Toubans!LINEで設定通知する当番お知らせサービス
いもうとBOT
謎解きサウンドホラーゲームゾンビのまち
思い出ロール
スマイルバトンフードコートの混雑問題を解決!
Dr.スサノス~海外での病気をサポート~
まるもん
Laf先生
ブロック遊びのお題
宅配xテック「うけトリ」
LINEで順番待ち
LINE@登録すると使えるフリーWi-fi
受付嬢サリー(呼出)
&HAND(前回グランプリ)
実際に登壇したプロジェクトは、ファイナリスト以外の団体も含めて全26プロジェクトあり、すごいボリュームでした。それでは各スキル/BOTについて概要にいってみましょう。
プレゼン概要
写真:会場にいた200人近い人を群衆意識で先導して全員立たせてエクササイズに巻き込むキノコエクササイズのマッシュ&ルームさんのプレゼンの様子。
OMRON賞
-血圧くん
家族で血圧をゆるーく見守るBOT&スマホが苦手な母にClova&OMRON CONNECT連携ということで、BOTからはなれば場所に住む家族の血圧を確認することができるそうです。IFFFTを使ってClovaに通知を行なったり、Clovaに話しかけることで血圧を確認することができる機能がありLINEグループで、家族の血圧情報を共有することができます。
-オムロンらくらく健康管理BOT /NH
機器の文字盤の写真を送るだけで、画像解析により結果をLINEに返してくれるそうです。簡易グラフ表示することが可能なBOT。
-まるもん /チームシステムズ
一人暮らしの高齢者の数は、592万人いるそうで、年々増えているのだとか。おばあちゃんをみままるモンスターを略して「まるもん」というそうで、離れた場所に住んでいる家族に音声メッセージをClovaを通して届けることができるそうです。おばあちゃの生活を家族に通知することができる
無反応アラート、助けてアラート、OMRON連携
SONY賞
-らくらく移動ちゃん /温泉BBA
駅などで利用できるスキルで、Xperia Ear DuoからClovaを起動。Clovaに話しかけることで近くの 出口、授乳室など行きたい場所を簡単に探すことができるのだそうです。
-くらちゃん /くらちゃん
手ぶらでふらっと観光できる3つの機能
XperiaDuoを使用したアプリケーション
観光地に近づくとBeaconが反応
観光地案内、お土産案内、帰宅時間通知ができる
SONY賞&ファイナリスト
-My Caddie /Groovers
ゴルフで活用できるBOTで、Xperia Ear DuoとBOT、Beaconを組み合わせて位置情報を活用。バンカーや池のようなポイントでアドバイスをもらえるそうです。同じスタンプを送ることで、ゲームに参加するメンバーをグループに追加することができる機能付き。マラソンなどの他のスポーツにも応用可能とのこと。
ファイナリスト
-思い出ロール つくるラボ
LINEのトーク履歴をロール紙に印刷してくれるサービス。BOTを追加して呼びかけると、希望する友達のトーク履歴から画像を生成してくれます。画像を生成するだけなら無料、有料でロール紙にオンデマンドでプリントするサービスなのだそうです。
-ica ica / ica ica (イチャイチャ)
BOTを利用したデーティングアプリ。インドネシアですでにサービスを展開しているスタートアップとのこと。すでにサービスを展開しているだけあって、かなり高いクオリティでした。ちなみにica icaというのは、インドネシアではよく使われている名前なのだそうです。なお、デーティングアプリは、日本では利用規約により禁止されているので作れないそうです。
-Toubans!LINEで設定通知する当番お知らせサービス /西村惟
BOTを追加し、当番を通知したいグループを登録することで簡単に当番通知を実現することができるのだそうです。これにより当番管理の手間を軽減、当番運用の高い信頼性が実現できるのだとか。LIFFを使ってかっこいフロント画面を作っていました。すごいのは100名ぐらいにアンケートを取りながら開発を進めていったということで、完成度がとても高かったです。
-いもうとBOT /いもうとBOT開発チーム
70%。この数字が何の数字かわかりますか?実は、いもうとがいない人口の割合なのだそうです。そこで、作業をいもうとにお願いすることができる、いもうとエクスペリエンスを提供するBOTを開発したのだそうです。時刻表、天気、ゲーム、翻訳、リマインダー、目覚ましコール(Twillio)、星座占い、割り勘(画像認識で年齢をは別して傾斜をつけてくれる)機能が搭載されており、人間のいもうととは正反対によく働くいもうとを誰もが持つことができます。可愛い女の子の声で結果を返してくれます。
-家族のお手伝い帳 /チーム家族愛
お手伝いをしたらポイントをもらえるスキルで、お手伝いを報告して>親がお手伝いを評価>目標ポイントを達成すると 音楽が鳴って教えてくれるそうです。親がいつでもお手伝いをリクエストすることができて、たまったポイントを使うとレシートが出てきて親に使い道を相談することができます。
-クローバカメラとお家スキルボット
カメラで顔を見て家族を判別、その人にピタリのことを言ってくれるスキル。お家開いて、おはよう、いってきます、ただいま、おやすみ などの挨拶に応じて、スケジュールを教えてくれたり、ファッションのチェックをしてくれるスキル。
動け!フレンズロボットシステム /rino products
Clovaフレンズと合体できるロボスーツを制作。obniz cloud を使用してロボットとして、腕をパタパタさせたり、腕を使ってゲームをすることができます。作り方については、コード/3Dモデルデータなど、必要な技術資料一式をGitに上げているそうです。
鎌倉市賞
-鎌倉市「投書箱」BOT /MegaMouse
若者でも簡単に、ラインを通じて意見を言うこと(投書)ができるツール。LINEから投書をすると、担当者はWEBの管理画面上で投書を確認することができるシステムで、回答や進捗記録し投書者が進捗状況を確認することも可能なのだとか。投書は、テキスト、音声、画像、動画、位置情報を、LINEの標準機能を使って投稿することができる。
-パブリック鎌倉 /COB
意見を投稿したり、それに対して行政側がいいねを押してその課題について簡単にコミットすることができる。投稿側はBOTで、行政側はWEB画面上で確認したり回答したりすることができる。
-鎌倉ゴミ調べ /E-craftman
ゴミ出しの悩みを解決するチャットボット 。ゴミの分別、ゴミ出しのスケジュールなどを確認することができる。テキストだけでなく画像を投稿するとIBMのワトソンを利用して物体認識をして、ゴミの分別やスケジュールを教えてくれる。
Rizap賞
-キノコエクササイズ マッシュ&ルーム
エクササイズ動画をBOTで確認しながら、Clovaからは音楽が流れるスキル。トレーニングの終了後にRizapのダイエット食メニューを表示してくれる。今後の展開として、カロリーを表示したいとのこと。200人ぐらいいる会場全員を群衆意識で立たせて全員トレーニングに巻き込むという圧倒的なノリで、会場全体が盛り上がりました。
-My Body /torisankanasan
毎朝血圧を測って記録するスキル。音声で簡単に体重と血圧を確認することができる。記録をグラフによって可視化してくれる。
-マイトレーニング /KEN
LBTでリアルタイム動画を見ながら、Clovaから音楽が流れるスキル。トレーニングの実績が自動的に記録される。今後は、新しい動画やレベルでマネタイズを狙う。
-LINEで順番待ち /ブレイブテクノロジー
お店の予約ができるBOT。すでに80万組以上の予約を達成。お店におくタブレット&レシート印刷機で、LINEを持っていない人にも対応。LINEで通知が来ることに対して30%が星4以上の満足度なので、通知を送ることに対してネガティブな印象はないのだとか。利用統計のデータ分析も可能で、コメダ珈琲、横浜マリーンスタジアムなど複数社で採用実績あるそうです。
-LINE@登録すると使えるフリーWi-Fi /ソーシャルデータバンク
Wi-Fiにログインして、出てきたモーダルからLINE@を登録するとWi-Fiに自動で接続できる。
-Naturally InLINE Agile /nila
アジャイルを行うのに便利なチャットツール。タイではLINEが一般的によく使用されており、スラックはあまり使われていない事情があるそうで、スレッドが乱立しないチャットツールが必要なのだそうです。
-Laf先生 /Laf
中2の6割「勉強嫌い」学習離れ=勉強は面倒、楽しくないを解決するBOT。問題をカメラで撮ってトリミングして送信すると、画像認識により適切な授業動画が5秒以内に配信される。間違った授業動画を返した場合は、いいえを選択するとスタッフが手動で対応することができる教師用のポータルから正しい動画を送るのだそうです。現状でも標準的なほとんどの学校の教科書に対応しているらしく、1年で380個以上の動画を作成するのが目標なのだそうです。
-育児日記 /ニシカワシンスケ
夫婦のコミュニケーションを変えたいという思いから制作したBOT。赤ちゃんの育児日記を7つのアクションから選択することができる。BOTをグループに追加すると、夫婦間で育児日記を確認することができる。思いやりから、リマインド機能はあえて外したのだとか。
-宅配xテック「うけトリ」 /限界集落大学院
宅配受取、郵便受取、ができるBOT。再配達230万件/月(国土交通省2018年4月)を改善しようというのが開発の動機なのだとか。カメラ付きのポストで荷物のQRを認識、Clovaと連携して荷物を受け取ることができるそうです。本人が帰宅してポストに近づくと、LINE Beaconで荷物があることを通知してくれるので、取り忘れも防止してくれるそうです。
-謎解きサウンドホラーゲーム ゾンビのまち VoiceApp Lab コバヤシトール
ClovaがLINEBOTのLIFFと連動して、地図を転送したり、リアルタイムに物語が進行するなど、映画のような演出を実現。家をアトラクションにかえることができると確信しているそうで、24(トゥウェンティー・フォー)のような世界観を実現したくて作ったそうです。マネタイズについてはまだ検討中とのこと。
賞金1000万円は誰の手に?
気になるグランプリ受賞者は…。
「Toubans!」と「ica ica」でした。偶然2つのプロジェクトが同点だったため、議論を重ねた末、素直にW当選することにしたそうです。賞金は山分けということですが、Toubans!はなんと現役高校生。史上最年少のグランプ受賞ということで、本人も会場も大盛り上がり。すごーい。ica icaのプロジェクトメンバーも感動して言葉を失っていました。いやー、本当におめでとうございます。ますますのご活躍をお祈りしています。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
イベントの最後に「来年もまたやるぞ!」と宣言されていました。LINE BOOT AWARDS 2019 もまた楽しみですね。今回はとても良いものを見ることができました。BOTと連携できるClovaならではのハイレベルなスキルやBOTを見ることができてとても勉強になりました。NOIDも早くClovaに対応したい。
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